平城京南エリアで大人の社会科見学📖唐招提寺・薬師寺ChillOut🦌

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奈良公園エリアから約5kmほど西に離れた、平城京(跡)の南のエリアに、世界遺産「古都奈良の文化財」の唐招提寺、薬師寺があります。荘厳な雰囲気を称える唐招提寺と、再建により当時の閑麗な境内が蘇った薬師寺。国宝・重要文化財に指定された多くの建造物・仏像を拝観できるので、入場料が激安に感じてしまいます。(下世話ですが😨)奈良市街地から公共交通機関で30分足らず、大人の社会科見学といきましょう!👀

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China Town Chill Out!

 
 

唐招提寺

日本史でおなじみの鑑真和上(がんじんわじょう、”おしょう”とも呼ぶ)は、中国・唐から仏教の”伝戒の師”として招請されました。渡日にあたり何度も航海に失敗し、苦難の中失明してしまいます。東大寺にて5年を過ごしてから、奈良市五条町に唐招提寺を創建し、この地で天皇を始め多くの人々に授戒(≒僧侶の免許発行)しました。
唐招提寺は律宗の総本山として、天平時代の貴重な建築物を有する世界遺産として、今も世界中の人々が訪れます。

奈良市 五条町 13-46
 
 

:南大門:

唐招提寺の入り口、南大門は昭和時代の再建です。”唐招提寺”と書かれた重厚な扁額はレプリカで、実物は新宝蔵に保管されています。昔は、この南大門と正面に見える金堂の間に中門があったそう。

バスなら南大門前に停まります🚌唐招提寺のおさんぽスタートです!

 

:金堂:

南大門の先には、奈良時代[8C]創建当時の姿を残す金堂。
堂内に安置されるのは、御本尊の盧舎那仏、左右の千手観音と薬師如来、須弥壇の四隅に四天王像、前方に梵天・帝釈天像、これら全て国宝の仏像です!
特に目を奪われるのは千手観音像。一般的には手を40本に端折るそうですが、唐招提寺の千手観音は1000本!(現在は953本)神々しいお姿は必見です。〔国宝〕

 

金堂の表にある8本の太い円柱はエンタシスと呼ばれ、ギリシャのパルテノン神殿や法隆寺の回廊に見られます。

:鐘楼:

金堂を間に、東の鼓楼(ころう)と対をなす鐘楼。垣根で囲われてしまっているため少々存在感に欠けますが、屋根に可愛らしいハートの模様(猪目という魔除の文様)
を見つけました♡

 

:講堂:

金堂の奥に見えるのが講堂。平城宮から移築され、当時の面影を残す唯一無二の貴重な建造物とされています。弥勒如来、持国天、増長天(いずれも重要文化財)、その他多数の仏像が安置されています。〔国宝〕

 

:開山堂:

講堂を裏手に進むと、こじんまりとしたお堂があります。江戸時代に徳川家の御霊殿として建立され、その後ご本尊が何度か替わり、現在は鑑真大和上の身代わり像(御影像)が安置されています。お堂へは、正面の階段ではなく、向かって左の坂道から回り込みます。年に3日しか拝観できない和上の尊像(国宝、御影堂に安置)に代わり、毎日参拝できるようにと造られた和上の御影像は、座禅を組み優しい表情をしていますが、仏教の伝来に命をかけた強い意志を感じます。

:鼓楼:

鐘楼と金堂を挟んで東にある、2階建ての鼓楼は鎌倉時代[13C]の再建です。(写真は開山堂横の坂道から撮影)和上が招来した仏舎利(お釈迦様の遺骨)を奉安しているため、”舎利殿”(しゃりでん)とも呼ばれています。
仏舎利を入れた”白瑠璃舎利壺”(はくるりしゃこ)というペルシャ製のガラス、それを覆う布”方円彩糸花網”(ほうえんさいしかもう)、それらを入れる”金亀舎利塔”(きんきしゃりとう)も全て国宝です。〔国宝〕

 

:礼堂、東室:

講堂の東に位置し、もとは僧坊だった建物で、鎌倉時代[13C]の創建です。礼堂には清凉寺式釈迦如来立像と日供舎利塔(ともに重要文化財)をお祀りしています。〔重要文化財〕

:宝蔵、経蔵:

境内の東、奈良時代[8C]の創建です。経蔵(写真奥)は、唐招提寺の創建前から既にあった米倉を改造したそうで、日本最古の校倉様式の建物です。〔国宝〕

 

:弁天社:

南大門の東、池ほとりには弁財天が鎮座しています。初夏には池に蓮が咲き、とても美しい景色だそうです。

 
 
 

世界遺産 法相宗大本山 薬師寺 休ヶ岡八幡宮

薬師寺の南に鎮座する休ケ岡八幡宮。薬師寺の鎮守神として、大分県宇佐からお招きした神社です。薬師寺へ参拝の前に、まず休ケ岡八幡宮で身を清めましょう。西ノ京駅or薬師寺東口(バス)から訪れた際は、薬師寺南門を通り越した先にあります。〔重要文化財〕

奈良市 西ノ京町 457
 
 

 
 
 

孫太郎稲荷神社

休ケ岡八幡宮と薬師寺を結ぶ小道にあるお稲荷さん。薬師寺とは直接関わりありませんが、藤原氏が創建に尽力したそう。

奈良市 西ノ京町 409-1
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こじんまりしとした境内ですが、世界遺産のお膝元にて清々しい佇まいの神社でした。

 
 
 

法相宗大本山 薬師寺

飛鳥時代[7C]、天武天皇が発願した薬師寺の建立は、持統天皇に引き継がれ、飛鳥(藤原京、現在の奈良県橿原市)に誕生しました。平城京遷都に伴い、現在の西ノ京町へ移転されたそう。天皇家に関わりが深く、仏教布教の天命を預かり、現在は法相宗の大本山という格式高い寺院です。

奈良市 西ノ京町 457
 
 

日本で最初の双塔伽藍で、遷都に伴う西ノ京への移転後も、2塔の配置はもちろん塔間の距離や、それぞれの高さ、形まで忠実に再現されたそう。一部の伽藍は、飛鳥からの移築だという説もあります。(距離にして20km以上ありますが…!)いかに薬師寺が天皇家にとって重要な寺院であったかが想像できるエピソードです。

 

:中門:

東西の回廊と一続きの門は中門、1984年の再建です。飛鳥の薬師寺と比較すると、ほとんどの伽藍が同配置、同規模で造られていますが、中門だけが拡張されているそう。

:二天王像:

1991年に復元された二天王像は、カラフルに彩られ、鎧を身に纏った珍しい姿。フォトジェニックを狙ったかのような色使いに驚きます。こちらは阿形。

 

こちらは向かって左(西)の吽形。

:東塔:

薬師寺の境内で、唯一奈良時代[8C]に建造された伽藍です。屋根が6つ連なるように見えますが、下から1、3、5つ目の屋根は裳階(もこし:ひさしのようなもの)と言い、屋根にはカウントしません。つまり、東塔は三重塔なのです。〔国宝〕

 

:西塔:

東塔と対照位置に建つ、西塔(さいとう)は1981年に再建されました。ほとんど東塔と同じデザインですが、東塔にはない緑色の連子窓が西塔にはあります。(東塔修復の際に、白壁にされてしまったとのこと。)現在は赤・黒のコントラストが美しい2塔が薬師寺を象徴していますが、西塔も年月を重ねれば東塔と同じような色合いになるのでしょうか。

:金堂:

1976年に再建され、奈良時代・仏教彫刻の最高傑作の1つ、薬師三尊像(国宝)を御本尊として安置しています。東塔、西塔と同じく、裳階(もこし)を用いた美しいデザインは「竜宮造り」と呼ばれているそう。確かに、竜宮城のイメージに見るような屋根の形をしています🤔

 

:大講堂:

2003年に再建された、薬師寺で最も大きな伽藍です。堂内には弥勒三尊像(重要文化財)がお祀りされています。

:食堂:

2017年に再建されたばかりの食堂。大講堂の奥に位置します。

 

:梵鐘:

大講堂の北、奈良時代に造られた他の寺院にあった鐘を、平安時代に薬師寺に移したとされています。(重要文化財)

東西にそれぞれ古の塔、再建の塔が並ぶ様は、1300年以上にわたる奈良の歴史と文化を感じる光景です。奈良当時の伽藍がわずかながらも、世界遺産の一つに登録されているのは、単に天皇家ゆかりの寺という理由だけではないと感じます。文化遺産への敬意と、数少ない手がかりから再建を果たす情熱と技術に感銘を受けた薬師寺のおさんぽでした。

 
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